Chapter 12. アクセスと特権の制御

 システムセキュリティの重点は、一般的なセキュリティポリシーにもよりますが、ユーザーやグループが必要以上のことを行えないようにするという点にあります。アクセスや特権の制御に関連する日常の変更の大半は、ユーザーやグループのまわりで適切に行われています(ユーザーとグループの作成と設定の詳細については、Chapter 2を参照してください)。

 しかし、Red Hat Linuxを使用している多くの組織には、アプリケーションやシステムデバイスへのアクセスを向上したり制限するためにさらに厳しいセキュリティや特別な設定を必要とする、企業なりのガイドラインや作業環境があります。ここでは、組織の状況に基づいてユーザーに適切なレベルのアクセスと特権を与えるようにシステムを調整する方法について説明します。

シャドウユーティリティ

 マルチユーザー環境にいてPAMまたはKerberosを使用していない場合は、システムの認証ファイルために高度な保護を提供するシャドウユーティリティ(シャドウパスワードという)の使用を考慮すべきです。Red Hat Linuxのインストール時は、MD5 パスワード(システム上の保存のためのパスワードを暗号化する代替的で安全性の高い方法)と同様に標準でシステムのシャドウパスワード保護が有効になります。

 シャドウパスワードには、次のように、UNIXシステムとLinuxシステム上にパスワードを保存するこれまでの標準的な方法より優れているいくつかの利点があります。

 shadow-utilsパッケージには、次の内容をサポートする多数のユーティリティがあります。

Note注意
 

これらのユーティリティに関する要点がさらにいくつかあります。

  • これらのユーティリティは、シャドウパスワードを有効にしているかどうかに関係なく、正しく機能します。

  • これらのユーティリティは、Red Hatのユーザープライベートグループスキームをサポートするように多少変更されました。変更の説明については、useradd manページを参照してください。ユーザープライベートグループの詳細については、the section called ユーザープライベートグループ in Chapter 2を参照してください。

  • adduserスクリプトは、/usr/sbin/useraddへのシンボリックリンクと置き換えられました。

  • shadow-utilsパッケージ内のツールは、KerberosやLDAPでは有効になりません。新規ユーザーはローカルに限定されます。KerberosとLDAPの詳細については、Chapter 9Chapter 4を参照してください。