Chapter 2. ユーザーとグループ

 ユーザーグループの管理は、Red Hat Linuxシステム管理の中核をなします。

 ユーザーは、実際の人間(特定のユーザーに連結されたアカウント)か、論理ユーザー(特定のタスクを実行できるようにアプリケーション用に存在するアカウント)のどちらかです。 実際のユーザーと論理ユーザー、どちらのタイプのユーザーにもユーザーIDグループIDがあります。 通常ユーザーIDは一意です(ただし絶対ではありません)。

 グループは、常に組織を論理的に表したものです。 ユーザーはグループを構成し、グループは、ユーザーをまとめて指定したファイルの読み込み、書き込み、実行許可を与えるための基盤を形成します。

 すべてのファイルは作成時にユーザーとグループを割り当てられ、ファイルの所有者、ファイルに割り当てられたグループ、ホスト上の他のユーザーに対して、読み込み、書き込み、実行それぞれの許可が割り当てられます。 あるファイルのユーザーとグループ、またファイルに対する許可は、ルート、またはより狭い範囲ではファイルの作成者によって変更可能です。

 ユーザーとグループの適切な管理は、許可の割り当てと取り消し同様に、システム管理者の最も重要な業務の1つです。 幸いRed Hat Linuxでは、ホスト上のファイルのセキュリティを保護しながら、この作業を簡単に実行できます。

ユーザーおよびグループ管理用ツール

 伝統的にユーザーやグループの管理は退屈な作業ですが、Red Hat Linuxにはユーザーとグループの管理を簡単にする、いくつかのツールと取り決めがあります。

 useraddを使用してシェルプロンプトから新しいユーザーを作成することもできますが、Linuxconfによってユーザーとグループを管理するのが最も簡単です(Linuxconfの詳細はオフィシャル Red Hat Linux カスタマイズガイドを参照)。