能動的アプローチと受動的アプローチ

 セキュリティのアプローチは、常に次のような2つの異なる種類に分類されます。能動的アプローチと受動的アプローチです。セキュリティに対する能動的アプローチには、システムのセキュリティモデルに裂け目を作らないためのアクションすべてが含まれます。受動的アプローチとは、そのセキュリティモデルに基づくシステムセキュリティを監視するためのアクションを指します。

 すべてのユーザーは、セキュリティに対して能動的アプローチと受動的アプローチの両方を講じる必要があります。これらの各アプローチは相互に補強しあうものです。たとえば、サーバーのログからあるユーザーがセキュリティを侵害しようとしている事実が判明した場合(セキュリティに対する受動的アプローチ)、最初のログインプロンプト段階でこれを防御するアプリケーションをインストールする(セキュリティに対する能動的アプローチ)ことになるでしょう。同様に、システム保護のためにシャドウパスワードを使用していなければ(能動的アプローチ)、Tripwireのようなツールを使用してシステム上の主要なファイルに対する変更を監視することになるでしょう(受動的アプローチ)。Tripwireについての詳細は、Chapter 10を参照してください。

 Red Hat Linuxには、セキュリティに対する両アプローチを導入するためのさまざまなツールが収録されています。ただし、システム保護について過度にツールに依存するのを防ぐには、各アプローチによる手法を適切に使用することが重要です。

セキュリティに対する能動的アプローチ向けのツールや手法

 Red Hat Linux向けのセキュリティツールの大半は、システムを能動的に保護するものです。最も一般的で便利なオープンソースツールには、次のようなものがあります。

 セキュリティに対する能動的アプローチをサポートする手法として、以下のものがあります。

セキュリティに対する受動的アプローチ向けのツールや手法

 Red Hat Linux向けのセキュリティツールのほとんどはセキュリティに対する能動的アプローチ用に設計されていますが、受動的セキュリティのためのツールもいくつかあります。これらに対する管理上の負担はずっと少なくなっています。

 セキュリティに対する受動的アプローチをサポートする手法には、以下のものがあります。