システムをOpenLDAPによる認証を実行するように設定する

 このセクションでは、Red Hat LinuxシステムをOpenLDAPを使って認証するように設定する方法について簡単に概要を説明します。OpenLDAPのエキスパートである場合は別ですが、本書の説明以外にも詳しいマニュアルが必要になるでしょう。詳細についてはthe section called 詳細情報を参照してください。

必要なLDAPパッケージのインストール

 最初に、LDAPサーバーとLDAPクライアントの両方のマシンに該当するパッケージがインストールされていることを確認する必要があります。LDAPサーバーにはopenldapパッケージが必要です。

 LDAPクライアントマシンでは、openldapauth_ldapnss_ldapのパッケージをインストールする必要があります。

設定ファイルの編集

/etc/openldap/slapd.confの編集

 次にslapd.confファイルを編集して、これを組織の特性に一致させます。

 slapd.confの編集についてはthe section called /etc/openldap/slapd.confの編集を参照してください。

ldap.confの編集

 LDAPサーバーとクライアントで、/etc/etc/openldapldap.confファイルを編集します。

 nss_ldappam_ldapの設定ファイルである/etc/ldap.confを編集し、ユーザーの組織と検索ベースを反映させます。ファイル/etc/openldap/ldap.confldapsearchldapaddなどのようなコマンドラインツールのための設定ファイルで、これもLDAP設定に合わせて編集する必要があります。クライアントマシンでは、これらのファイルを両方ともシステムに合わせて修正する必要があります。

/etc/nsswitch.confの編集

 nss_ldapを使用するためには、ldap/etc/nsswitch.confの該当するフィールドに追加する必要があります(このファイルを編集する場合は慎重に行ってください。今行っている作業をよく理解した上で実行してください)。たとえば、以下のようになります。

passwd: files ldap
shadow: files ldap
group: files ldap

PAMとLDAP

 標準PAM対応アプリケーションで認証のためにLDAPを使用できるようにするには、authconfigを実行し、Use LDAPを選択します(PAMはこのLDAPに関する概要の守備範囲を超えるものであるため、ヘルプが必要な場合は、Chapter 8やPAMのマニュアルを参照してください)。

古い認証情報のLDAPフォーマットへの移行

 /usr/share/openldap/migrationディレクトリには、古い認証情報をLDAPフォーマットに移行するためのシェルとPerlのスクリプトセットが含まれています(これらのスクリプトを使用するには、Perlをシステムにインストールしなければなりません)。

 最初にmigrate_common.phファイルを修正し、ドメインを反映させる必要があります。デフォルトのDNSドメインは以下のようになっています。

$DEFAULT_MAIL_DOMAIN = "padl.com";

 これを、たとえば以下のように変更する必要があります。

$DEFAULT_MAIL_DOMAIN = "your_company.com";

 デフォルトのベースは以下のようになっています。

$DEFAULT_BASE = "dc=padl,dc=com";

 これも、たとえば以下のように変更する必要があります。

$DEFAULT_BASE = "dc=your_company,dc=com";

 次に、使用するスクリプトを決める必要があります。以下の表を参照してください。

Table 4-1. LDAP移行スクリプト

既存のネームサービスLDAPは動作しているか使用するスクリプト
/etcフラットファイルはいmigrate_all_online.sh
/etcフラットファイルいいえmigrate_all_offline.sh
ネット情報はいmigrate_all_netinfo_online.sh
ネット情報いいえmigrate_all_netinfo_offline.sh
NIS(YP)はいmigrate_all_nis_online.sh
NIS(YP)いいえmigrate_all_nis_offline.sh

 既存のネームサービスを基に該当するスクリプトを実行します。

 /usr/share/openldap/migrationにあるREADMEmigration-tools.txtに情報の移行方法に関する詳細が記載されていますので、必要に応じて参照してください。