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Xircom ユーティリティとオンライン マニュアルのインストールを完全に行うには、Xircom CD-ROM から SETUP.EXE を実行し、[Install Software and Tools] を選択し、画面の指示に従って操作してから、システムを再起動する必要があります。再起動して Windows を再ロードしたら、Xircom CountrySelect を実行して、現在の所在地の国にモデム パラメータを設定します。
旅行などで海外で使用する際、モデムの国設定を変更するには、[スタート]、[プログラム]、[国の選択] の順に選択します。Ethernet 10/100+Modem 56 を割り当てる COM ポートを選択します。このとき「国名」リスト ボックスのドロップ ダウン メニューで、モデムを使用する国名を選択できます。[保存] ボタンをクリックし、さらに [終了] をクリックします。モデムの呼び出しには、お手持ちの通信ソフトを使用してください。
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しかし、一部の通信プログラムには、モデム コマンドの特定のタイプを入力する必要があるものもあります。また、通信ソフトウェアのメニューおよびプロンプトを用いずに、手動によるモデムの設定を好むユーザーもいます。こういった場合のサポートについて、このセクションでテクニカル情報を示します。
モデムをインストールした後で発生する問題の解決方法については、「トラブルシューティング」を参照してください。
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Xircom モデム ファームウェアは V.90 接続するように初期設定されており、ダイヤル先のコンピュータが V.90 をサポートしていない場合は、K56flex に戻ります。ただし、56Kbps 伝送を実現するには、他の要因も必要です。
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AT コマンド言語および関連出版物の詳細な参考情報については「モデム AT コマンド」、「S
レジスタ」、「結果コード」を参照してください。
モデム作動モード
Xircom モデムには次の 2 つの作動状況があります。1 つはコマンド モード、もう 1 はオンライン モードです。
コマンド モード
電源を入れてモデム ソフトウェアがロードされると、モデムはコマンド モードで「立ち上がり」します。モデムはコマンド モードのときにのみ、入力したコマンドを受け付け、実行します。相手側のモデムとの接続が確立すると、モデムはコマンド モードからオンライン モードへ、自動的に切り変わります。
コマンド モードの制限
Xircom モデムを含む大部分のモデムのコマンド モードでは、ファイルやファックスの送受信、またはリモート コンピュータやネットワークへのログオンを行いません。コマンド モードはモデムの設定、および接続の確立または切断の場合にのみ使用できます。また、あらゆるデータ通信およびファックスの送受信を可能にするには、送信側と受信側の両方で、適切な装置およびアプリケーション ソフトウェアが必要です。
オンライン モード
オンライン モードとは、相手側のモデムとの接続が確立し、モデムが自動的に切り変わった作動状況を言います。モデムがオンライン モードで、受信側のモデムに接続しているとき、コマンドを入力しても、これはコマンドとして処理されず、データとして接続先に送信されます。例外は「エスケープ」コマンド (+++) で、このコードによってモデムによるセッション中に接続を中断せず、オンライン モードからコマンド モードに切り換えることができます。
AT コマンド セット
Xircom モデムは、コマンド モードでのモデム操作に Hayes および Microcom 互換コマンド セットを使用します。これは拡張「AT」コマンド セットで、その中のほとんどのコマンド文字列は AT で始まっており、コマンド ラインの最後で Enter キーを押してコマンドを実行します。利用可能なすべてのコマンド セットを見るには、AT$ コマンドを使用します。
S レジスタ
AT コマンド セットとともに、モデムもまた S レジスタと称する一連のプログラ可能メモリ格納位置を使用できるます。これらの S レジスタには、モデム オペレーションおよび AT コマンドの様々なパフォーマンスを決定する値があります。S レジスタ、およびその内容、機能、使い方の詳細については、「S レジスタ」を参照してください。
エスケープおよび ATO コマンド
Xircom モデムに使用される、エスケープ コマンドは 3 文字の ASCII 文字 (デフォルトは「+++」) を入力して実行します。このコマンドは、相手先のモデムに接続中、一時的にコマンド モードへ戻るために使用します。
この 3 文字のASCII 文字は S レジスタ S2 で設定されます。デフォルトは S2=43 (+) です。0 〜 127 の値が使用できます。このコマンドを使用できなくするには、127 より大きな ASCII 値を使用します。
オンライン モードに戻るには、ATO (O はアルファベットの O) コマンドを入力し、続いて Enter キーを押します。
ファックス コマンド
すべてのファックス オペレーションは、適切なファックスおよびモデム コマンドを設定、実行するのためのファックス ソフトウェアが必要です。このソフトウェアは、モデムをファックス モードに切り換え、ファックス プロセスを管理し、ファックス オペレーションが終了するとデータをデフォルトに戻します。
ファックス ソフトウェアのセットアップおよび送受信の方法については、お使いのファックス ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
2 つの例外を除き、モデムに送出されるコマンドはすべて AT で始まり、最後に Enter キーを押さなければなりません。例外は、/ を入力するとただちに実行されるリピート コマンド (A/) と、+ を 3 個入力するとただちに実行されるエスケープ コマンド +++ です。
コマンド パラメータ
モデムへ送出されるコマンドには、AT&V のような単一コマンドと、AT &F S7=30 V1 X4 DT 1 213 555 2345 のようなコマンド シーケンスがあります。この文字列をコマンド ラインと呼びます。コマンド ラインの最後には、かならず Enter キーを押します。
コマンドの長さは 255 文字まで可能です。プレフィックスである AT コマンド、コマンド ライン中のすべてのスペース、改行文字または最後の Enter キーなどはこの文字数に含まれません。かっこおよびハイフンはコマンド文字として計算されます。256 文字以上の長さのコマンド ラインを入力するとエラー メッセージが表示されます。このような場合、コマンド ライン全体がモデムに無視されます。
コマンド文字列の入力ミスを訂正するには、Backspace キーを押します (またはCtrl キーを押しながら H キーを押す)。AT アテンション コードは削除できません。コマンド ライン全体を無視、またはコマンド モードに戻るには、 Ctrl キーを押しながら X キーを押して モデムに命令します。モデムは、コマンドを実行せずに [OK] を表示して応答します。
コマンドの処理
モデムは理解したコマンドに対する応答として OKを表示し、理解しなかったか、あるいは実行不可能なコマンドに対する応答として ERROR を表示します。これらのコマンド承認メッセージは、結果コードと呼ばれます。モデムの応答には、OK および ERROR に加えて CONNECT、 BUSY、NO CARRIER、RING、NO DIALTONE などがあります。
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エスケープ
+++ エスケープこのコマンドはモデムのオペレーティング モードをオンライン モードからコマンド モードに切り換えます。
+++ コマンドの入力後、使用している通信プログラから OK の応答があれば、モデムはすでにコマンド状態であるということであり、AT コマンドを受け付けます。このコマンドは、始めに AT コマンドのプレフィックスを付けたり、最後に Enter キーを押す必要はありません。
ダイヤル
モデムに電話番号をダイヤルさせるコマンドは AT コマンド ATDn です。この場合、n は入力する文字列の長さを示し、長さはモデム コマンド バッファの許容量によって制限されています。コマンド バッファはダイヤル文字列で 255 文字まで可能です。
ハンドシェイク
ダイヤル コマンドを入力し、モデムが相手のモデムのキャリア信号を検出すると、共通のデータ伝送速度および送受信モデムの両方に事前送出された設定を元にしたその他の伝送パラメータをネゴシエートします。このネゴシエーションは通常、ハンドシェイクと呼ばれ、モデム スピーカからのキーまたはギーという独特な一連の音を伴います。
ダイヤル修飾子
ダイヤル コマンドには、ダイヤル修飾子と言われるさまざまなオプションがあります。これは特殊文字とシンボルの組み合わせで作成され、ダイヤル コマンドの後にすぐ続けて、あらゆる組み合わせで入力できます。これらのダイヤル修飾子で、どの番号にダイヤルするかを制御できます。
たとえば、コマンド ATD P 9 W T 1 213 555 3456 はモデムに次のことを命令します。
オフフック状態 (受話器を取る) およびダイヤル トーンの検出
P (パルス) は 9 にダイヤル
W で第 2 ダイヤル トーンを待つ
T (トーン) は 12135553456 にダイヤルし、キャリア検出を待つ
P、W、T はダイヤル修飾子。一覧については、AT コマンド の「D」の欄を参照してください。
もう 1 つの使用頻度の高いダイヤル修飾子はコンマです。コマンド ラインにコンマ (,) が含まれていると、ライン内の次の文字やシンボルの処理の前で、一時的に停止します。
たとえば、コマンド ATD 9, P 555-3333 は、PBX を通る外部ラインを受け取るためのトーンによって、9 をダイヤルし、外部ダイヤル トーンを受け取るのに十分な時間、停止してから 555-3333 にダイヤルします。
コマンド ATDL は直前にダイヤルした番号に再ダイヤルします。
リピート
A/ Repeat このコマンドは AT プレフィックスを必要とせず、コマンド「/」を入力するだけで実行します。Enter キーを押す必要はありません。A/ はコマンド バッファに現在保存されているコマンド ラインを再実行します。通常このコマンドは直前に入力したコマンド ラインです。これは BUSY 結果コードが返された電話番号への再ダイヤルに便利です。
たとえば、コマンド ATD 9, P 1-804-555-3333 を入力し、モデムが画面に BUSY と応答したきた場合、再ダイヤルのためにコマンド文字列を再入力するする必要はありません。A/ と入力するだけで、モデムは全コマンド ラインを再処理します。
停止
ATH 停止 このコマンドはモデムに「オンフック」または停止を命令します。ATH を入力すると、モデムを停止し、電話回線を切断します。
ヘルプ
AT$ ヘルプ このコマンドは、すべてのモデム コマンドのマルチ画面サマリーを表示します。
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